ベネチア玉 J.F.Sick & Co.

The Bead Goes on: The Sample Card Collection With Trade Beads from the Company J.f. Sick & Co. in the Tropenmuseum, Amsterdam 主にアフリカとの貿易のためにベネチアで作られたとんぼ玉。アフリカントレードビーズ(African Trade Beads)とも呼ばれています。シェブロン、ミルフィオリ、オッキオ、ピュマータなど色、形、模様は本当に多種多様で数多くの文献がありますが、その決定版とも言える本『The Bead Goes on: The Sample Card Collection With Trade Beads from the Company J.f. Sick & Co. in the Tropenmuseum, Amsterdam』が出版されました。1910年ごろから約50年間、西アフリカにおけるとんぼ玉流通の95%を支配していたという商社『J.F.Sick & Co.』のとんぼ玉サンプルカードの写真がDVD-ROMで付いてきます。収録されているとんぼ玉の数はなんと約2万2千!。すべての玉に番号がふられていて、とんぼ玉がサンプルカードに加えられた年代も分かります。

 Sick社は1910年ごろ、ドイツ・ハンブルグに本店がオープンし、とんぼ玉の大生産地であるベネチアとチェコ・ヤブロネツに支店が開設されました。第一次大戦後、ドイツ敗戦にともない本店がロッテルダムに移転。ハンブルグは支店に格下げされました。その後、1927年に本店がアムステルダムに移転し、ロッテルダムは閉鎖。アフリカではナイジェリアに5ヵ所、ガーナに4ヵ所、カメルーンに2ヵ所、事務所が置かれ、20世紀前半の西アフリカにおけるもっとも重要なとんぼ玉卸商社としての地位を築きあけました。そして1964年にベネチア支店が閉鎖されるとき、アムステルダムの本店に保管されていたサンプルカードが、オランダ王立熱帯研究所(Royal Tropical Institute)の熱帯博物館(Tropenmuseum)に寄付され、そのカードを接写した写真を収めたのが本書のDVD-ROMです。

 海外ではこのSick Collectionがベネチア玉研究の基礎となっており、「Sick Collectionの●●番」といった形で玉の模様の特定すら行われています。この本が出版され、手軽に(値段はお手軽ではありませんが)データが入手できるようになったことから、今後は日本でもアンティークとんぼ玉の取引や研究にこのサンプルカードの番号が用いられることになるかもしれません。(2007.6.3)

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【とんぼ玉とビーズの世界史】
人類最古のビーズ(10~9万年前 )  古代エジプト・隕石のビーズ(B.C.3000年頃)   宝貝のビーズ(B.C.1000年頃~)   17世紀のとんぼ玉   20世紀のとんぼ玉

【重層貼眼玉】  
フェニキア玉   ケルト玉  ペルセポリス型  イラン・ガレクティ1号丘5号墓  ペルシアの瑠璃玉

【古代ローマ】
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【ヨーロッパ・アフリカのとんぼ玉】
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【日本・中国のとんぼ玉】
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【アジア・オセアニアの諸民族】
台湾・パイワン族(排灣族)  《民藝 76号》  ボルネオ島・ダヤク族  パラオ共和国(ウドウド)  ミクロネシア連邦(ヤップ島)  インド・ナガ族

【アジアのとんぼ玉】
インド・バラナシ  インドパシフィックビーズ  ジャワ・ジャティムビーズ  ニューギニアビーズ

【東南アジアの遺跡】
タイ・バンチェン  ベトナム・サーフィン  ベトナム・オケオ  ラオス・ジャール平原

【コレクション】
芹沢銈介コレクション  平山郁夫コレクション  川田順造コレクション  とんぼ玉美術博物館コレクション
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