
インドパシフィックビーズとは、右の写真のような『インド洋でつくられた引きガラス方法による単色のビーズ』のことで、インド南東部の遺跡アリカメドゥ(Aricamedu)で紀元前2世紀頃から作られたとされています。
紀元1世紀の終わりか2世紀の初めごろには、ベトナムの
オケオや、スリランカ、マレーシア、タイまで製作技法が伝わり、アリカメドゥの職人が移住したパパナイドゥペトゥ(Papanaidupet)では現在まで2000年以上にわたりこのビーズが作られてきました。色は不透明な赤やオレンジが一般的ですが、黄色や黒、半透明の青などもあります。
インド洋ではこのビーズが古くから東西交易によって各地に運ばれ、東は日本、韓国、西は東アフリカの遺跡からインドパシフィックビーズが発掘されています。
このインドパシフィックビーズはしばしば、「季節風ビーズ(Trade Wind Beads)」と呼ばれることがあります。しかし、この言葉は本来、アジアで作られ季節風貿易によって東アフリカに運ばれたビーズを示すもので、石のビーズや芯巻法で作られたとんぼ玉も含んでいます。
また、オレンジ色のインドパシフィックビーズがインドネシアのチモールや東ヌサ・トゥンガラ州などで家宝として大切にされていることから、現地の用語である「ムティサラ(Mutisalah、ニセ真珠)」として紹介されることもありますが、「ムティサラ」は実際には引きガラスによって作られたビーズだけでなく、中国製の芯巻ビーズ(Coil Beads)なども含んでいます。
従って、インドパシフィックビーズという名前は、古代から連綿と作られてきた引きガラス方法のガラスビーズであることに重点を置いた呼び方で、近年、日本でも弥生時代や古墳時代の副葬品として発掘されたガラス玉がインドパシフィックビーズであるという見方が注目されています。・・・続く(2006.10.9)
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