パラオ共和国(ウドウド) Palau

palau.jpg 左の写真は1910年代、日本統治下のパラオで撮影された女性です。首には舟形のウドウド(udoudo)と呼ばれる玉がついたネックレスをしています。ウドウドは、現在でもレプリカがお土産として売られているようですが、本来はパラオ人が伝統的に使用している財貨で、『オセアニアを知る事典』によると、人生儀式のさまざな機会に、夫方集団から妻方集団に贈られるということです。そのため、女性はロレラ・ウドウド(財貨の来る道)といわれるそうです。

 パラオは1885年にスペインの植民地となり、1899年にドイツに売却されました。1914年に第一次世界大戦が始まると日本軍がパラオを占領し、第二次世界大戦の終結まで日本の委任信託領となりました。

 1941年にパラオ・コラールの南洋庁書記として働いていた作家・中島敦は小説の中で、

「ウドウドと称する勾玉の様なものがパラオ地方の貨幣であり、宝である」
「ウドウドも持つてゐない位だから、之によつて始めて購ふことの出来る妻をもてる訳がない」
「パラオ人は珠貨(ウドウド)と饗宴との交換によって結婚式を済ませ」
「莫大な珠貨(ウドウド)を職人達に支払い」

などと書いており、ウドウドがいかにパラオの人々の生活にとって重要な役割を果たしてかをうかがい知ることができます。
palau3s.jpg
 前著によると、ウドウドは以下のように分類されます。
【材質で分類】
①クルダイツ(陶土製)…a.ブラク(黄色) b.ムンガンガウ(赤色)
②ガラス製…a.多色 b.透明
【形状で分類】
①バハル(舟形)
②玉形、玉子形、その他

 最も高価なのはクルダイツのバハルで、身分の高い女性しか身に着けることができず、現在で6000米ドル以上の価値があるということです。左上の写真の女性が身に着けているのはガラス製のバハルで、右上の写真は、1899~1914年の15年間にドイツ人が本国に持ち帰ったガラス製の玉形のウドウド(とんぼ玉)です。

 これらの玉を展示している博物館の解説によると、玉はフィリピンやインドネシアからもたらされたと考えられ、ジャティム・ビーズや、ボトルから再生した単色の玉などが確認できます。

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
コンテンツ一覧
TOP PAGE

【とんぼ玉とビーズの世界史】
人類最古のビーズ(10~9万年前 )  古代エジプト・隕石のビーズ(B.C.3000年頃)   宝貝のビーズ(B.C.1000年頃~)   17世紀のとんぼ玉   20世紀のとんぼ玉

【重層貼眼玉】  
フェニキア玉   ケルト玉  ペルセポリス型  イラン・ガレクティ1号丘5号墓  ペルシアの瑠璃玉

【古代ローマ】
労働者のビーズ  壺型とんぼ玉  帯状モザイク玉

【ヨーロッパ・アフリカのとんぼ玉】
ベネチア玉  エチオピアンチェリー  ロシアンブルー  キッファビーズ  カメルーン  ベルベル人

【日本・中国のとんぼ玉】
江戸とんぼ玉  かんざし  和泉蜻蛉玉(大阪)  アイヌ玉(シトキ・タマサイ)  《民藝 387号》  戦国とんぼ玉  乾隆玉と単色玉

【アジア・オセアニアの諸民族】
台湾・パイワン族(排灣族)  《民藝 76号》  ボルネオ島・ダヤク族  パラオ共和国(ウドウド)  ミクロネシア連邦(ヤップ島)  インド・ナガ族

【アジアのとんぼ玉】
インド・バラナシ  インドパシフィックビーズ  ジャワ・ジャティムビーズ  ニューギニアビーズ

【東南アジアの遺跡】
タイ・バンチェン  ベトナム・サーフィン  ベトナム・オケオ  ラオス・ジャール平原

【コレクション】
芹沢銈介コレクション  平山郁夫コレクション  川田順造コレクション  とんぼ玉美術博物館コレクション
メール(e-mail)
ご感想や相互リンクの依頼などは、こちらから。

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
  1. 無料アクセス解析