ベトナム・サーフィン遺跡 Sa Huynh,Viet Nam

 ベトナム中部、クアンガイ省の砂浜海岸サーフィン(Sa Huynh)にある古代遺跡。ベトナム国内の広い範囲に同系列の遺跡が分布し、総じてサーフィン文化と呼ばれています。紀元前1千年紀中頃に始まる青銅器段階『早期サーフィン文化』と、紀元前後の鉄器をともなう段階『典型サーフィン文化』に区分されています。
 
 サーフィン文化は甕棺墓群が特徴で、甕棺の内外には下図のようなガラス玉や特徴的な「有角けつ状耳飾り(右の写真・ガラス製Ling Ling-O型・右角が欠損)」「双獣頭形耳飾り」などの装身具も副葬されていました。これらの耳飾りは石製とガラス製があり、フィリピンのルソン島やパラワン島、台湾蘭嶼島、タイ中西部、マレー半島などでも発見されています。

 サーフィン遺跡から出土したガラス玉の一部は、1930年代にフランス人マドレーヌ・コラニ(Madeleine Colani)が報告しています。ガラス玉は現地で生産された可能性もあるものの、「大多数は輸入品で、当時既に国際交易ネットワークが存在した」と指摘したそうです。1940年代には日本人研究者は「青緑色のローマ式グラス珠が多く出土した。このグラス珠の密度は2・40で、鉛もバリウムも含まず、まったくのローマ製と思われる」としています。
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 しかし、近年の研究によると、ガラス玉には確かに輸入品が存在するものの、サーフィン文化期にはガラス製品を製造する技術が現地で確立しており、ベトナム北部のドンソン文化まで広まったという有力な説が提示されています。

 紀元前111年、前漢がベトナム北部にあった南越国を滅ぼし、中部ベトナムまでを占領すると、現在のフエのあたりに日南郡を置きましたが、紀元後192年、反乱が起きて林邑(りんゆう・チャンパ王国)が成立しました。この林邑の範囲はサーフィン文化の甕棺墓遺跡の広がりとほぼ重なっており、サーフィン文化は林邑文明の直接の祖先と見なされているということです。

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