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銀化ガラス

resize0031.jpg 古代ガラスの魅力の一つは“銀化”です。写真の左下に写っているのは紀元前1世紀~紀元後1世紀ごろ地中海域で流通していた壷型とんぼ玉、後ろは9~13世紀ごろの中東・イスラム世界でガラス製品の原料として使われていたガラス塊で、いずれも美しく銀化しています。

 銀化とは何でしょうか。そして、どのような原理で輝きを得るのでしょうか。

 ガラスの風化現象の内、真珠貝色に輝くものを特に銀化(イルデッセンス)と呼んでいる。これは土中の水分(空中で雨・露などに濡れてもできる)などにより、ガラスの成分から、アルカリ・イオン(主としてカリウムとカルシウム)が取り除かれ、硅酸の網状組織が分解されることにより起こる。この結果、表面に雲母状に硅酸の層ができ、これが光を乱反射させ、金色や銀色に輝いて見せるのである。(谷一尚『オリエントのガラス』岡山オリエント美術館)

 それでは、古代ガラスのコレクションと、銀化はどのような関係にあるのでしょうか。

 コレクションの仕方はさまざまあるが、東西で二つに大別することができる。それらは、外国の美術商の間で、“ジャーマンテイスト”と “ジャパニーズテイスト”と呼ばれている。ジャーマンテイストとは、読んで字の如くドイツ人が好む古代ガラスのことで、銀化が全くない透明なものを好んでコレクションするという意味である。(中略)方やジャパニーズテイストとは我々日本人の好みである。日本のコレクターは、目の前にもし同じ形の古代ガラスがあれば、銀化の美しい方を選ぶという傾向にある。(塩田紘章「古代ガラスの楽しみ方、扱い方」『古代ガラス―銀化と彩り―』里文出版

 最後に、ニセモノについてです。ある著名な日本人研究者が、今から40年前、テヘランの古美術商のところで銀化の美しい小鉢を見つけた時のこと。店の主人が次のように語ったといいます。

 「これは近頃出したパール・カラーのマニキュアを塗っているのだ。次にテヘランに来るときは、マニキュアを20本買って来てほしい。お金はかならず払うから」(三杉隆敏『真贋ものがたり』

 最近ではフッ化水素を使って人工的に風化させたものや、本物の古代ガラスからはがした膜を、より状態のいいガラスに接着剤で貼り付けた巧妙なものも出回っているということです。(2010.3.7)

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