エチオピアンチェリー (Ethiopian Cherry)

エチオピアンチェリーエチオピア地図 左の写真はエチオピアンチェリーとよばれるボヘミア(チェコ中西部)製のガラス玉。ホワイトハート、ロシアンブルーなどと並び、交易ビーズを代表する単色とんぼ玉の一種です。輝くような深い赤と、サクランボのような安定感のある丸い形が特徴で、主に19世紀以降、エチオピアなどアフリカ東部で流通していたと考えられています。

 アフリカ諸民族の装飾品をテーマにした写真集「Africa Adorned」などをみると、アフリカ西部の象牙海岸付近ではミルフィオリなど多彩なとんぼ玉が多くみられ、少し東に入りカメルーンなどではシェブロンが好まれていることが分かります。さらに東に進みスーダン、エチオピア、ケニアなどでは単色のビーズが装飾品として多く消費されてきました。アフリカ東部でもシェブロンやオッキオなどは少量流通しましたが、非常に貴重なものとして大切にされています。

色―世界の染料・顔料・画材 民族と色の文化史 このエチオピアンチェリーの魅力は、何よりその深紅の色にあります。「色―民族と色の文化史」によると、象徴的意義がとても広い赤色は、たくさんの儀式で使用され、女性の豊穣性や男性の力強さを示しているということです。また集団の結束を強めたり信仰対象の力を強くしたりする儀式にも用いられるということで、アフリカ各地ではとても大切にされています。

 ボヘミアでガラス玉作りが始まったのは17世紀。18世紀になるとヨーロッパ市場向けにビーズを輸出します。そして18世紀最後の四半世紀(1775-1800年)に、ガーネットをまねた赤いビーズを作り始めたことが知られており、このエチオピアンチェリーもその延長上に位置付けられています。(2009.6.27)

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【とんぼ玉とビーズの世界史】
人類最古のビーズ(10~9万年前 )  古代エジプト・隕石のビーズ(B.C.3000年頃)   宝貝のビーズ(B.C.1000年頃~)   17世紀のとんぼ玉   20世紀のとんぼ玉

【重層貼眼玉】  
フェニキア玉   ケルト玉  ペルセポリス型  イラン・ガレクティ1号丘5号墓  ペルシアの瑠璃玉

【古代ローマ】
労働者のビーズ  壺型とんぼ玉  帯状モザイク玉

【ヨーロッパ・アフリカのとんぼ玉】
ベネチア玉  エチオピアンチェリー  ロシアンブルー  キッファビーズ  カメルーン  ベルベル人

【日本・中国のとんぼ玉】
江戸とんぼ玉  かんざし  和泉蜻蛉玉(大阪)  アイヌ玉(シトキ・タマサイ)  《民藝 387号》  戦国とんぼ玉  乾隆玉と単色玉

【アジア・オセアニアの諸民族】
台湾・パイワン族(排灣族)  《民藝 76号》  ボルネオ島・ダヤク族  パラオ共和国(ウドウド)  ミクロネシア連邦(ヤップ島)  インド・ナガ族

【アジアのとんぼ玉】
インド・バラナシ  インドパシフィックビーズ  ジャワ・ジャティムビーズ  ニューギニアビーズ

【東南アジアの遺跡】
タイ・バンチェン  ベトナム・サーフィン  ベトナム・オケオ  ラオス・ジャール平原

【コレクション】
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