Entries

日本・アイヌ玉 (シトキ・タマサイ) Ainu,Japan

 左の写真は盛装しているアイヌ女性(アイヌメノコ)です。女性の首飾りの中央にある金属製の飾板をシトキといい、転じて飾板のある首飾り全体がシトキと呼ばれています。内側の玉だけのものはタマサイ(玉サイ・玉彩)といい、シトキは重い宗教的儀式に用い、タマサイは盛装した時、あるいは普通の儀式に使われたということです。アイヌ女性にとって玉類はとても大切なもので、祖母から母へ、母から娘に女の魂として代々伝えられ...

《民藝 387号》 あいぬ玉 1985.3

 1985年、日本民藝協会が発行した雑誌『民藝 387号』には「あいぬ玉」が特集されています。アイヌ玉の研究とコレクションで知られる小林泰一氏の文章(著書からの抄約)と、日本民藝館(東京・目黒)と同氏が収集したシトキ・タマサイのコレクションの写真が掲載されており、同年3月まで日本民藝館で開催されていたアイヌ工芸の企画展に対応した特集です。同氏は1940年に札幌の骨董店で小玉2個を購入して以来、アイヌ玉を集め、玉に...

中国・乾隆玉と単色玉

 右の写真は1939年当時、北京市内にあったビーズ屋の軒先に掲げられていた看板の一部で、青や水色、白、緑の単色玉が連なっています。中国では14世紀から今日に至るまで、山東省淄博(しはく)市郊外に位置する博山(Boshan)がガラス生産の一大拠点で、中国産のガラス玉の多くはこの博山で作られたと考えられています。清朝(1644-1912)初期に書かれた書物には博山のガラス生産に関する記述があり、鉄や銅、コバルトなどガラ...

台湾・パイワン族 Paiwan,Taiwan

 左の写真は盛装している台湾・パイワン族の女性です。女性の首にはとんぼ玉の首飾りがかけられています。 かつて高砂族と呼ばれた台湾の原住民は、居住地域や習慣、言語などの違いによってタイヤル(泰雅・アタヤル)族 、アミ(阿美)族、ツォウ(鄒)族 、ブヌン(布農)族、プユマ(卑南)族、ルカイ(魯凱)族、パイワン(排湾)族、ヤミ(雅美)族の9族に大きく分けられました。 1930年代の日本統治時代に行われた調査などによると、台湾...

《民藝 76号》 台湾パイワン族頸飾り 1959.4

 「表紙に載せたのは、往年私が渡台の折りに求めた一個で、パイワン族のもの。パイワン族は、台湾の一番南端に住む民族で、台湾全島に住む七種の高砂族のうち、最も優秀な工芸品を持つ種族だと云へる。織物にも非常に美しいものがあるが、装身具にも大したものがある。私はこの種のものに就いての詳しい歴史を知らぬが材料は殆ど皆支那から渡つてきたものだと云はれる。石もあり硝子もあり、珊瑚もあり又貝もあり、練物もあるで...

フィリピン・カリンガ族 Kalinga,Philippines

 左の写真はフィリピン・ルソン島北部の山岳地帯に住むカリンガ族の女性です。細かい模様までは判別できませんが、とんぼ玉のネックレスをしているようです。 1930年代後半にこの地を探検した研究者によると、台湾のパイワン族のとんぼ玉と非常によく似た玉が使われており、さらに北方に住むイスネグ族も同じような玉を持っているということです。 カリンガ族の女性が布に施す刺繍や紋様などもパイワン族と共通で、容貌も似てい...

ボルネオ島・ダヤク族 Dayaks,Borneo

 左の写真はボルネオ島・中北部の山岳地帯のジャングルに住むカヤン(Kayan)族の女性です。耳に大きな真鍮製のイヤリングをし、首には何連ものとんぼ玉のネックレスをしています。 ボルネオ島は赤道直下にある世界で3番目に大きい島で、日本の約2倍の面積があります。北西部の27%がマレーシア領(サラワク・サバ)、そこに囲まれた1%がブルネイ、東部から南西部にかけての72%がインドネシア領(カリマンタン)です。イスラム教徒でも...

パラオ共和国(ウドウド) Palau

 左の写真は1910年代、日本統治下のパラオで撮影された女性です。首には舟形のウドウド(udoudo)と呼ばれる玉がついたネックレスをしています。ウドウドは、現在でもレプリカがお土産として売られているようですが、本来はパラオ人が伝統的に使用している財貨で、『オセアニアを知る事典』によると、人生儀式のさまざな機会に、夫方集団から妻方集団に贈られるということです。そのため、女性はロレラ・ウドウド(財貨の来る道)と...

ミクロネシア連邦(ヤップ島) Yap,Micronesia

 パラオから約480キロ北東に離れたミクロネシア連邦のヤップ島。マンタが見られるダイビングや、巨大な石の通貨が存在する事で有名ですが、ここにもかつて、右の写真に見られるようなとんぼ玉が流通していました。 ミクロネシアの歴史はパラオの歴史と大きく重なります。1500年代にスペイン人がミクロネシアの島々に来航し、1886年に領有権を宣言。1899年にスペインは島々をドイツに売却し、1914年に第1次世界大戦が始まると日...

インド・ナガ族 Nagas,India:Burma

 ナガ族とは、インド東部のナガランド、マニプール、アッサム、及び、ミャンマーの西北部の山岳地帯に暮らすナガ部族の総称で、ナガランドではコヒマを中心とするアンガミ(Angami)族、モコクチュンを中心とするアオ(Ao)族などから構成されています。ナガランドは第二次世界大戦中に日本軍によって実行されたインパール作戦の舞台となった地域で、ナガ族はかつて首狩りの習慣があったことで知られています。 ナガ族はビーズジュエ...

インドパシフィックビーズ Indo-Pacific Beads

 インドパシフィックビーズとは、右の写真のような『インド洋でつくられた引きガラス方法による単色のビーズ』のことで、インド南東部の遺跡アリカメドゥ(Aricamedu)で紀元前2世紀頃から作られたとされています。 紀元1世紀の終わりか2世紀の初めごろには、ベトナムのオケオや、スリランカ、マレーシア、タイまで製作技法が伝わり、アリカメドゥの職人が移住したパパナイドゥペトゥ(Papanaidupet)では現在まで2000年以上にわたり...

ジャワ玉(ジャティム・ビーズ)

 ジャティム(Jatim)とはジャワ・ティモール(Java Timur)を縮めた略語で、ジャティム・ビーズとは、主にインドネシアのジャワ島で発掘される独特の模様を持つビーズを指します。多くは、黄・緑・茶などの単色のコアを持ち、表面にカラフルな小円や線模様が施されており、その意匠は西アジアのモザイク芯玉の影響を強く受けているとされています。  ジャティム・ビーズの中でも、羽根模様(主に青・白の2色か、青・白・赤・黄の4色)を...

ニューギニア玉(New Guinea beads)

 右の写真は、ニューギニア島西部、インドネシア・パプア州(かつてのイリアンジャヤ州)に伝わるとんぼ玉です。不透明な黄色のメロン玉で、ずっしりとした重さがあります。 『Manic-Manic di indonesia』や『Collectible Beads』によると、おそらく17〜19世紀に中国で作られこの島までもたらされたということですが、中国ではこの玉はほとんど発見されておらず、製作地についての正確な情報はありません。 乾隆ガラスの伝世品と...

【東南アジア(大陸部の遺跡)】

 インドシナとは、インドと中国に挟まれているベトナム・ラオス・カンボジアの3カ国に加え、タイ・ミャンマー両国のマレー半島部分を除く地域で、この半島にあるバンチェン(タイ)・ジャール平原(ラオス)・サーフィン(ベトナム中東部)・オケオ(ベトナム南部)などの古代遺跡から、多くのガラス玉・とんぼ玉が見つかりました。 1960年ごろから本格的に調査されたバンチェン遺跡及びその周辺の遺跡からはインドパシフィックビーズに...

タイ・バンチェン遺跡 Ban Chiang,Thailand

 タイ東北部、コラート高原北部に位置するウドンタニ(Udon Thani)県バンチェン(Ban Chiang)にある紀元前2100年〜紀元後200年ごろの古代遺跡。本格的な発掘は1960年以降、タイ芸術局や米ペンシルベニア大学などが行いました。独特の彩文土器が有名ですが、右の写真のような濃紺のそろばん玉のような形をした半透明のガラス玉も数多く出土し、地元のバンチェン国立博物館を始め東京国立博物館やベルリン・ダーレムにある国立民族学...

ベトナム・サーフィン遺跡 Sa Huynh,Viet Nam

 ベトナム中部、クアンガイ省の砂浜海岸サーフィン(Sa Huynh)にある古代遺跡。ベトナム国内の広い範囲に同系列の遺跡が分布し、総じてサーフィン文化と呼ばれています。紀元前1千年紀中頃に始まる青銅器段階『早期サーフィン文化』と、紀元前後の鉄器をともなう段階『典型サーフィン文化』に区分されています。  サーフィン文化は甕棺墓群が特徴で、甕棺の内外には下図のようなガラス玉や特徴的な「有角けつ状耳飾り(右の写真・...

ベトナム・オケオ遺跡 Oc-èo,Viet Nam

 林邑が成立したころ、ベトナム南部・カンボジアの一帯には扶南(フナン王国・1〜7世紀)がありました。ベトナム南部キエンザン省にあるオケオは、扶南の海外交易の中心都市と考えられている2〜6世紀ごろの遺跡です。1942年、フランス人ルイ・マルレ(Louis Malleret)が発見し、遺跡からは漢の鏡やローマの金貨などが見つかりました。なかでも、ローマのガラス玉・とんぼ玉も大量に発掘され、『ローマ=インド=インドシナ=中国』を結...

ラオス・ジャール平原 Plain of Jars,Lao

 ラオス北部、ジャール平原のチャンニン地区には、最大で高さ3メートル、重さ15トンにもなる石甕や墓標石が多数集まる巨石遺跡群があります。これらの遺跡は1930年代にフランス極東学院のマドレーヌ・コラニ(Madeleine Colani)によって調査され、世界に広く知れ渡ることになりました。十分な深さのある石甕は骨壺として使われ、石甕の中や周辺の土中からは人骨や歯、鉄器や土器の破片、ガラス製ビーズなどの副葬品が発見されまし...

Appendix

 

Masters: Glass Beads: Major Works by Leading Artists (The Masters)Masters: Glass Beads〜とんぼ玉の名匠たち〜 KOBEとんぼ玉ミュージアムでは本書の出版を記念して2008年 7月11日(金)から10月6日(月)までの間、掲載される世界の名匠40名の作品を紹介する企画展を実施する予定です。

目 次(Contents)

とんぼ玉

1000 Glass Beads
見応え十分、お買い得です。満足いく作品集です。

無料ホームページ ブログ(blog)

メール(e-mail)

ご感想や相互リンクの依頼など、こちらからご連絡下さい。

名前:
メール:
件名:
本文: